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低糖質ダイエットはしないほうが良いのでしょうか?

~食事中の栄養バランスについて~

低糖質ダイエットはしないほうが良いのでしょうか?


昨今は低糖質ダイエットが肥満の改善に効果的であることから、多くの方々に受け入れられています。しかし日本糖尿病学会を始め、国内の主な医学会はこのダイエット方法に否定的です。なぜでしょう?

日本糖尿病学会では食事中の栄養素の構成を次のように推奨しています。炭水化物をエネルギーの50〜60%とし、タンパク質を20%以下に抑え、残りのエネルギーを脂質から摂取します。この考えは炭水化物を主に摂り、脂肪の摂取を控えることが特徴である日本人の伝統的な食事パターンに根差しています。その根拠は、日本人が西洋の高脂肪食に移行する前では、この食事スタイルによって肥満や心臓病の発症率が低かったと言われている点です。低い飽和脂肪酸と高い繊維質を含む食事が肥満や心臓病のリスクを低減していた可能性が考えられます。

しかし、この炭水化物をしっかりと摂取する食事療法には、まだ科学的な証拠が完全に揃っていません。一人ひとりにどれほど効果があるのかについて、さらに詳細な研究が必要です。でも大勢の人の食事に対して長期間にわたる介入研究をすることは、とてもハードルが高く実現性が低いのです。

また日々の生活で一つの栄養素構成を継続して守ることが難しいのも事実です。外食や特別なイベント、好みや文化的な食事習慣に合わせながら、個人の健康状態や糖尿病管理に合った食事アプローチを見つけることが大切です。理想的な食事であっても、ずっと我慢し続ける必要がある場合は必ず中断を招きます。食事療法は実践可能で、継続できるものでなければなりません。

アメリカ糖尿病学会では、科学的で決定的な研究結果が得られていない現状では、栄養素の構成について一つに定まったものだけを推奨することはできないとしています。この考えから糖質制限も否定されていません。筆者もこの考えと同じです。つまり現時点ではどの栄養構成が最も優れているのかは明確にはわからないのです。答えはないのですから、少し柔軟に考えて良いと思います。ただし糖質制限にもいくつか守っていただきたい事項がありますので、行う前にご相談ください。

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